ペルー

インティラィミ 太陽の祭り
 冬至の日 北半球では6月夏至の日

 クスコでは盛大に行われる、見物したところは田舎町なので子どもたちが演じていた。
 太陽の子のインカ皇帝が年に1度、大地の神パチャママに収穫を感謝する、この日だけ皇帝が人前に姿を現す日だ。リャマの心臓を、昔は人の心臓を捧げ豊作を祈願する。サクサイワマンの大要塞を貴族と兵士が埋め尽くし、そこに輿に乗った皇帝がしずしずと来臨する。白い衣装の太陽の処女たちがつき従う。インカの民族衣装を身にまとうパレードがすばらしい。さすが黄金の国で金の輝きが目にまぶしい、と、これは観光局の言い草で、見物した町のはだいぶみすぼらしかった。
 郊外の砂漠の平地にテントを張って貴賓席が作ってある、見物人は砂山に登って思い思いに座っている。一隅には露店が出ていてタコスやトウモロコシやインカコーラ、チチャを売っている。ペットボトルに入った発酵酒のチチャは口当たりがよく暑熱の下で酔いが早い。中腹に砦らしい石積みの遺跡があり白い石で行列の道が示されている。
 周囲には重武装の兵士たちが銃を構えて警戒しているのは来賓の護衛だろう。
 行列は全部、小中学生らしい、皇帝と皇妃の輿はベニアだし安っぽい貫頭着に申し訳程度の祭りの装飾がつけられている。いずれクスコのような観光地となって豊かな町になった時、本物の衣装が復活するのだろうか。たくさんの観光客を集めて華々しく行われる祭りはもちろん良いが、こんな学芸会のような祭りも捨てたものではない。