アルバニア

歌と踊りの祭典


 町を歩いていたら車から降りて駆け込んできた美しい民俗衣装の一団がいた。後についていったら放送局のリハーサルだという、見せてもらった。白と金の衣装も装飾も美しいが顔かたちはスラブ風、踊りにはトルコ・東方の妖しい面影はなかった。
 社会主義の色濃く残る国なので民俗舞踏だけでは終わらない。子どもたちが出てきて達者に歌い踊る。見るからに利発そうで礼儀正しい子どもたち、その典型はソ連で類型は北朝鮮他多数ある、この国にも残っていた。それだけでは若者も老人も巻き込めない。セクシーな歌と踊りのプログラムが必ずある。
 ソ連にとっては貴重なレモンとオリーブの実る国、地中海に面した港があり天然ガスとニッケル・クロムなども産出する。
 そしてかたくなな社会主義独裁体制を守り鎖国を続けた。開放されるとすぐにネズミ講にひっかかり国民のほとんどが破産した。
 道で出会った青年も日本に行くには幾らかかるかと聞いてきた。行ってみたい国だそうだ。